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20260602
So What - SHADOWS
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FACTというバンドは、日本のラウドシーンにおいて特異な存在だった。
日本人という出自が海外シーンで先入観として作用することを嫌い、能面姿で登場した彼らは、その異形のビジュアルを武器に、エレクトロ、ポストハードコア、メタルコア、メロディック・パンクを自在に横断するサウンドによって強烈な印象を残した。
今でこそ素顔を隠して活動するアーティストは珍しくない。しかし当時、その登場は衝撃的だった。
ただ、FACTの革新性は単なるビジュアルの異様さだけにあったわけではない。
初めて彼らの音に触れた瞬間、多くのリスナーが体験したのは「こんなバンドが日本にいたのか」という驚きだったはず。既存ジャンルの境界線を軽々と飛び越え、まだ名前のついていない音へと向かっていく。その未知性こそが、FACTというバンドの魅力だったように思う。
だが、エレクトロや技巧の実験が極限まで進んだ一方で、活動後期のFACTには逆説的な変化も現れ始める。音は次第に削ぎ落とされ、よりハードコア的でストレートな衝動が前面へと現れていった。
そしてその延長線上に、FACT解散後に中心メンバーによって結成されたSHADOWSがある。
SHADOWSはFACTの続編ではなく、むしろFACTが積み上げた実験性や構築性を一度手放し、バンドという存在の原点へ戻るためのプロジェクトなのではないかと思う。デビューEP『Extrance』を一発録りで制作した事実は、その思想を端的に示している。
技巧より熱量。構築より体温。
FACTが音楽で未来を更新するバンドだったのだとすれば、SHADOWSはライブと信念を鳴らすバンドなのではないか。
『So What(だから何?)』
この曲では攻撃的なワードやスラングが繰り返される。だが、その響きは単なる反抗や挑発では終わらない。音はより荒々しく、ライブの熱や生々しさを前面に押し出すようになった。
『GAGA LIFE.』をも彷彿とさせるMV、アートワーク、そして立ち振る舞いに至るまで、そこにはどこか無骨で、飾らないセンスが光る。洗練されているのに媚びていない。流行を追うのではなく、自分たちの鳴らしたいものを鳴らす。その態度そのものに、強く惹かれる。
複雑さを捨てたのではない。実験を諦めたのでもない。FACTという長い旅路の果てに、彼らが選び取ったのは「まだ見ぬ音を鳴らすこと」ではなく、「信念をどう鳴らすか」だったのではないか。
そんなSHADOWSのセンスや姿勢を、わずか数分で一瞬にして感じ取らせてくれるものだった。
若い頃、自分はどこかまじめにやることや、本気になることを格好悪いものだと思っていたふしがある。時間を守らず、少しルーズで、斜に構えている方がかっこいい。そんな価値観に、少なからず憧れていた。
でも大人になるにつれて、その感覚は少しずつ変わっていく。
時間を守ること。やるべきことをきっちりやること。誰に見られていなくても、自分の信念や責任を投げ出さず、本気で向き合い続けること。むしろそういう姿勢の方が、よほどかっこいいのだと気づくようになった。
SHADOWSに惹かれる理由も、どこかで関係しているように思う。
本気であることを隠さない。好きなものを好きだと言い切る。流行や評価に左右されず、自分たちの鳴らしたい音を鳴らし続ける。
そんな不器用なまでの誠実さと、信念を貫くことのかっこよさが鳴り響いていた。









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