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20260211

Gilda - Dos Monos

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これだけ多種多様になった音楽シーンの中でも、異質な存在感を放つグループ「Dos Monos」。音が強いとか、言葉が難しいとか、そういう話だけでは説明しきれない違和感が、静かに残る。

興味を持てば、つい知りたくなる。

どこの大学に通っていたのか?何を聴いて育ったのか?どのシーンに属しているのか?そうした情報をひとつずつ集めていくと、少し安心するし、理解した気になる。けれど同時に、それだけでは本質を外しているのではないか、とも感じてしまう。

彼らの正体は、経歴や肩書きではなく、「インプットが過剰なまま、整理されない時代を生きた身体」なのではないか...と。


映画を観る。
本を読む。
音楽を聴く。
神話や美術に触れる。

けれど、それらは人生の答えをくれない。むしろ、「あれ? 世界って、なんかおかしくない?」という、処理不能な違和感だけが増えていく。知れば知るほど、腑に落ちなくなる。

Dos Monosは、この「バグ」を解決しない。結論を出さない。そのまま、音楽というフォーマットに流し込む。そこに、彼らの姿勢がある。

ただし、そのやり方は、決して観念的ではない。ただの"インテリ芸"で終わらせない。HIP HOP、ロック、そして音楽として成立する最低条件を、彼らは絶対に外さない。

ビートが強く、フロウが鋭く、音として、まず身体に来る。「なんか分からないけど、やばい」が、先に立ち上がる。意味の理解は、その後でいい。この順番を守っているところに、Dos Monosの一番の誠実さがある。


これをHIP HOPの文脈で考えると、異質さはよりはっきりする。ヒップホップのリリックには、強い原則がある。語り手が誰か、だいたい分かる。自分の来歴。自分の視点。自分の怒りや誇り、欲望。つまり、主体が一貫している。

しかし、GildaをはじめとするDos Monosの楽曲では、その前提が揺らぐ。
主語は頻繁に曖昧になり、視点はジャンプし、物語は回収されない。

映画、神話、音楽、美術。異なる文脈の断片が、コラージュのように切り貼りされていく。そこに、わかりやすいストーリーはない。そのあり方は、現代詩に近い。意味は閉じられず、読み手によって立ち上がり方が変わる。

ただし、ここで終わらない。
それを「難解な現代詩」で終わらせない。

ビートに乗せ、フロウで押し切る。韻で身体に刻む。意味が完全に理解できなくても、音として納得させてしまう。

メッセージを叫ばず、正解を提示せず、それでも強烈な印象だけを残す。

問いは、確かにこちら側に投げ返される。けれどその前に、音が身体を掴む。考えるより先に、反応してしまう。その順番が崩れないからこそ、Dos Monosの音楽は、ただの思考実験で終わらないのだ。

Text by master

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master

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