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20260111

AUGHOST - GEZAN ft. 小泉今日子

アーティストでもあるGEZANのフロントマン、マヒトゥ・ザ・ピーポーが初監督として、自身のバンドヒストリーを落とし込んだ青春映画「I ai(あいあい)」。

歴史を辿れば、人は、時間や存在をとどめるために筆やペンをとり、絵画、言葉、文章を駆使し形に残そうとしてきた。

それがカメラというものが誕生し世界は一変する。
そして今、世界中の人が手元にスマホを持ちいつでも誰でも簡単に、今を残せてしまうようになった。

さらにあまりの技術の進歩は、AIの登場によって、架空の記憶すらも一瞬に生み出せるようになってしまった。

しかし、気配、匂い、重さ、そういった映像からこぼれ落ちる存在の影にこそ、人の呼吸がある。マヒトが映画に落とし込もうとしたのはそういった人の息吹だ。


どこか懐かしさも漂う曲調と、その歌声に一瞬で心を掴まれたこの曲は、80年代の懐メロではなく、2024年に上映されたその映画の劇中歌である。

AUGHOSTとは「8月」と「幽霊=ゴースト」を掛け合わせた造語であり、インタビュー記事によると、小泉今日子に歌ってほしいと願い、つくった曲だそうだ。

なぜ心を掴まれたのか。

それは、記憶と忘却、永遠と刹那、老いと青春、幽霊と実在――相反する概念がせめぎ合いながら、同時に存在している、その曖昧な地点を描いているからだ。
失われつつあるものと、確かにそこにあったもの。そのどちらにも手を伸ばそうとする行為そのものが、表現なのだと思う。

「AUGHOST」。

8月という、終わりに向かっていく季節と、幽霊という、存在と不在のあいだに佇むもの。
この言葉は、忘れられていく記憶と、消えきらずに残り続ける感情を、同時に抱え込むために生まれた名前なのだろう。

この曲が掬い上げているのは、まさにその一瞬の輝きと、その後に訪れる静かな余韻なのだ。

Text by master

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master

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