米津玄師・HACHI（ハチ）の楽曲がサブスクリプション配信を開始したので、コンテンツ大量消費時代の音楽とそんな時代に売れに売れまくっている彼について考えてみる。
楽しくなってめちゃくちゃ長くなってしまったので「曲の紹介だけでいいよ」って方は最後の段落だけ読んでください。

先月Twitterを見てみると気になるツイートを発見した。
https://togetter.com/li/155509
インターネット白書2020、このような内容も含まれているのか、気になるが大変いいお値段である。これはまさしく時代の変化だと大変興味を持った。

言われてみると昨年世間を席巻したLisaの「紅蓮華」、King_gnuの「白日」、さらには米津玄師の2018年のヒット曲「Lemon」は前奏（イントロ）なしの歌いだしから曲が始まる。80年代・90年代の曲（選曲のセンスは勘弁いただきたい）だとイントロの時間は尾崎豊「15の夜」25秒、スピッツ「ロビンソン」42秒・・・と近年の曲より比較的長い、ような気がしなくもない。ちなみにイントロが長いと上がっているB'z「LovePhantom」は1分30秒で4分30秒ある楽曲のうちの大半がイントロである。なぜこのような変化がサブスクリプションの台頭で起こるのか。

サブスクリプションとは「一定期間の利用権に対して料金を払うことで期間内に商品・サービスを自由に利用できる」方式のことで、つまり「聴き放題」「見放題」と気軽に大量にコンテンツを消費できる方式である。これだけ大量に提供されるようになるとどうなるか。選択できる曲が多すぎて一つ一つの曲に時間をかけて吟味するのが難しくなるだろう。さらに、何も曲同士の差別化だけの話ではない。2019年のNetflix経営者の「Netflixはフォートナイトに負けている」の発言に代表されるようにスマートフォン・タブレット一つで手軽に動画・音楽・ゲーム・SNSに遷移できる環境ではそれぞれのコンテンツ同士でユーザーの「時間の奪い合い」がシビアになってきている。本当に時間がないのである。以上を考えると前奏の短い時間での掴みが強い曲に人気が集中するのは必然的ではないだろうか。

前奏が全体的に短く掴みの要素が多い、なんなら曲もそんなに長くない（3分30秒～4分30秒くらいの曲が目立つ）、ボーカロイド世代の米津玄師が時代に合致しているんだろうなとわかったところでやっと曲の話である。煌びやかなイントロから緩急・強弱が複雑に入り混じる楽しくもどこか切ないような不思議な一曲。楽器いくつ使ってんのこれって思ったら犬と猫が鳴いたりする。どんな頭してたらこうなるんだって感じ。歌詞の内容は現在金曜夜10時よりTBSで放送中の刑事ものと見せかけてごりごり社会派、野木亜紀子脚本ドラマ「MIU404」を見てくださいとしか言えません、ドラマのための楽曲だものーーー。曲使うタイミングが毎回素晴らしいです。・・・何の話だっけ。いい加減終わります。