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20220126
アンテナ - セカイイチ
生々しいアコースティックギター音と、打ち込み音のようなドラムが心地よく響く一曲。具体性のない描写だけで進行する歌詞のためか、聴く人によっていろんな捉え方ができる余白がある。
世の中には、具体的な物語で進行するような歌詞もあれば、この曲のように全体をぼかすことで想像力を掻き立てる歌詞もある。
ヒントをたよりに読み解くならば、きっと別れの歌なんだろう。
「ここにあった思い出と ここに残った怒り顔
けして忘れないでしょう 本当に忘れないでしょう」
忘れないのは「思い出」と「怒り顔」なのだが、本当に忘れないと誓ったのは、その時感じた気持ちそのものなんじゃないだろうか。他にも「ゆりかご」「最初の電車」「東京の夜」「サイレン」「配水管」...歌詞に選ばれた単語ひとつひとつからは、字面だけじゃない様々な感情が連想される。
形のない「感情」が主役に感じられてしまうのは、歌詞全体が明確な主語をもたない文で構成されているからなのだろう。
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