-
play_arrow
20200912
human behaviour - björk
生まれ育った地元に、子孫繁栄を願う「亥の子」というお祭りがあった。村中の子供達が編み込んだ藁を手に、家中をまわり歌いながら地面を叩くお祭り。大地を踏みしめることで邪神を祓うという意味があるらしい。その土地の伝統行事である。
アイスランド出身のbjörkというアーティストは、その土地の民謡を織り交ぜたような神秘的な曲を歌うアーティストだ。なぜか、あの子供時代に歌った「亥の子」の歌を思い出してしまう。
human behaviourとは和訳すると「人間の営み」。奇しくもこの新型コロナウイルスに苦闘する現代、様々な気付きを与える一曲となった。人間らしい営みとは一体なんなんだろうか。
ウイルスの蔓延を防ぐための新しい生活様式は、1年前なら考えられないような内容だ。マスク、手洗い、消毒は風邪予防だとしても、「新しい旅のエチケット」などはなかなかに受け入れがたいものがある。人生を豊かにするはずの旅において、大声を出さず、おしゃべりも控え、常に消毒、お土産には容易く触れてはならない。今は我慢の時と思うしかないが、改めてhuman behaviourを真剣に考えるきっかでもある。
まさかそんなことを予言はしていないであろうが、純真無垢で生まれ育ったその土地の伝統行事を当たり前のように行い、自然と神に感謝し、人間らしい営みを存分に行っていたあの当時の姿を早く取り戻したい...そんな気分にさせられる一曲である。
COMMENT