HIP HOPやシンセ音を駆使し、ボーカルとドラムの２人編成という珍しいスタイルの彼ら。その中でも異彩を放つ「House of Gold」は、ウクレレをベースに、透き通るような声を存分に活かした編曲になっている。

ポップな曲調とともに厚みを増していくサウンドは、明るく前向きなメッセージを持つかのように思えるが、一筋縄ではいかないのが彼らの特徴とも言える。

PVに登場する体が引き裂かれたように演奏する姿は、その感情の二面性、ともすれば二重人格のような自分に悩む苦悩を感じとることができる。

「黄金の家」を残し、父親がいなくなっても私を最後まで見届けてくれるか？と問う母親。もちろんすべてを受け入れると答える僕。しかし計画はそんなにはうまくいかないことを知っていて、いっそそんな夢は諦めて生きた方がましだと..。それは当事者にしかわからない苦悩なのかもしれない。

不倫、虐待、介護..など家庭内の問題を日々耳にする現代だからこそ突き刺さる。

それらすべてが、曲中のボーカルTyler Josephのシャウトに最も強く詰め込まれている。