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20230824
青春時代 - 銀杏BOYZ
よく学生生活なんて狭い世界で、思っているよりも世界はずっと広いという意見を聞くことがある。
たしかに一理ある。
毎日同じ年齢の、同じ地域に住む、同じ顔と会うだけの狭い世界。
しかし、意外と学生生活というのは社会の縮図であって、社会人になろうと人間関係の比率自体は変わっていないのではと思うことがある。
あの頃、活発だったやつは今も活動的にやってるし、おもしろかったやつは今でもおもしろい。要領がいいやつは要領よくやるし、何事にも奥手だったやつは今でも変わらず腰が重い。
社会に出て、人間的に成長し、あの頃の自分は小さかった...なんて思うこともあるかもしれないが、案外、自分のいる教室が広がっただけで、みんなの立ち位置は変わってないのかもしれない。
そんな考えがなんとなく頭にあるから、可愛くて憧れだったあの娘が風俗嬢になっていることや、PKを決めて英雄だったあいつが田舎で郵便屋さんをしてることを知り動揺してしまう。
自分は目立たず平凡だった。あの頃光り輝いていた人たちの現在とのギャップは、同情とも憂慮とも優越感ともとれる複雑な感情を掻き立てる。そんな主人公の思いが伝わってくる。
最近、コロナ禍ぶりに学生時代の友人に会った。相変わらずなこと、ショッキングなこと、爆笑してしまうようなこと、みなそれぞれいろいろある。
その時、無性に聴きたくなったのが、銀杏BOYZの『青春時代』だった。
家族を持ち、金も稼ぎ責任も増えたけど、人間的にはみんな変わっていないし、関係性も変わらない。でも、英雄だったあいつが小さく落ち着いてしまった現実には、複雑な思いを抱いてしまう。
翻って自分はどうなんだろう?あの頃と同じなのだろうか?
あの頃のような自分を維持したいのか、もっともっと立派に成長したいのか。よくわからない。
部活に打ち込み、最後のロングシュートが外れ、気づいたら大人になっている。あっと言う間に過ぎ去った青春時代。でも、今も変わらず青春時代は続いているのかもしれない。
きっとこれからも、生涯通して何度もこの曲を聞き直したくなることだろう。
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