-
play_arrow
20221214
夜明けと蛍 - n-buna
-
見上げる視線、俯く視線。
一度は顔を上げても、内面へと向けられたまなざしは劣等感に満ち、再び下を向いてしまう。それでも、かろうじて前へ向け直そうとする視線――。
たったひとつの「視線」で、世界の輪郭はまるで変わってしまう。
「芸術は問い、デザインは解」
『夜明けと蛍』を受け取った人々の答えは、実にさまざまだ。ネット上には無数の解釈や感想があふれている。同じ曲を聴いているはずなのに、そこから立ち上がる物語は一人ひとり異なる。その振り幅こそが、芸術の証なのだろう。
劇的なドラマがあるわけではない、ごく普通の人生にも、自分なりの苦悩は確かにあった。
振り返ってみると、あの頃の自分は焦点の定まらない目をしていた。衝撃的な出来事に打ちのめされ、この先どうなってしまうのかもわからないまま、思考が停止していた日々。それでも時間が経つにつれて、少しずつ視界は澄んでいく。
その過程が、『夜明けと蛍』という曲と不思議なほど重なって見えた。
励ましの言葉があるわけでも、勇気を鼓舞する歌詞が並んでいるわけでもない。ただ感情に呼応するように、さまざまな方向へ揺れ動く視線が描かれている。その揺らぎの積み重ねに、多くの人が自分自身を見出すのだと思う。









COMMENT