本物のロックスターとは？定義は人それぞれにあれど、自分の中でチバユウスケ氏は間違いなくその一人である。ロックが生まれたその歴史を辿れば辿るほどそこに行き着く。

ロックミュージックには攻撃的な姿勢や、ネガティブな感情が原動力になることも多い。しかし根底には肯定の感情があり、純粋さとにじみ出る優しさを感じる事がある。「ALRIGHT」を聞くといつもそれを噛み締めることになる。

「敵は味方ではないけど敵ではなかった」

まだ王政が当たり前だった頃を思わせる歌詞の中の、まるで世界平和を願うような一節。時代や場所などは一切関係なく、肯定することを心の底から歌い上げる姿に感情を揺さぶられる。

...というのも、この映像は「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2007」が舞台で、僕はまさにこの場所に居た。この日チバ氏がMCで発した言葉は「自然がいっぱい」一言のみ。それがしっかりと映像にも残っている。

分かりやすい言葉でたくさん話すわけでもなく、わかりやすいメッセージの曲を歌うわけでもない。でも、このしゃがれた声でぶっきらぼうに歌い上げる本物のロックスターの歌は、ずっと心に残り続けている。