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20221104
An Open Letter To NYC - Beastie Boys
HIP HOPの生まれ故郷、ニューヨークで結成されたビースティーボーイズ。
自分達のルーツとなる街が破壊されるという想像することすら不可能な現実...2001年のあの衝撃的なテロによって、大きな傷を負った街を、「公開状」の名の下、楽曲により救おうとした。
生まれ育った土地から得た経験や人間関係、そして思考から言葉遣い、身だしなみに至るまで、身についた「文化的資本」は、心身ともに深く根付き、その人のオリジナリティとなって否応なく滲み出てくる。
「僕はビートルズ」という漫画をご存知だろうか?
2000年代に活動するビートルズの日本のコピーバンドが、ビートルズデビュー前の1960年代にタイムスリップし、自分達がビートルズの曲をオリジナルとして先に発表してしまうというストーリー。
今と比較すると、海外に行くハードルは高く、情報にアクセスすることすら格段に難しい時代に、4人組の日本人が全編英語詞の極めて先進的なロックナンバーを生み出したことに、世界中が驚愕する。
日本にいながら、イギリスの、そしてリバプールの風景を想起させる音を創り出したことに、衝撃と疑問を感じる...というシーンが心に残っている。
そう、そんなことは答えを知った未来からタイムスリップでもしなければ不可能なんだ。
ニューヨークからHIP HOPが生まれ、白人ラッパーとして初めて大成功を収め、そしてあの悲劇を経験し具現化された楽曲。そんな彼らの思いが重くのしかかる。
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