-
play_arrow
20211210
あんたがたどこさ feat. miida and The Department - ミノタウロス
言わずとしれたわらべ歌「あんたがたどこさ」を現代風に大胆にアレンジしたバージョン。とにかく理屈ぬきに、しびれるくらいにかっこいい。日本古来の文化を、文明の利器を使って再構築するとこうなるのかと度肝を抜かれる。
メインアクトのみの氏が、序盤ひたすらブドウを食べる謎のパフォーマンスに不思議と吸い寄せられ、曲のラスト、圧巻のギタープレイがそれまでの緊張感を一気に解放する。まさに緊張と緩和とでもいうべきか。
そもそもの題材「あんたがたどこさ」について改めて調べてみると、曲の背景には諸説がありこれがまたおもしろい。歌詞に出てくる狸は徳川家康を指しているなんていう説までもある。ポップミュージックは何も海外から伝来したものだけではないのだ。
Youtubeチャンネル「みのミュージック」を運営されているみの氏は、音楽的な造詣が深く、再三日本の音楽のルーツを民謡などから掘り返したいと話されている。自身の著書「戦いの音楽史」のあとがきは必読である。
日本の音楽が世界に対して輸出されるような時代がもうすぐ到来すると予想されており、そうなった時に、一時の流行として邦楽が簡単に消費されないよう、厳しい審美眼をもって日本人自身が評価すべきだと語られている。そのために我々日本人が、日本の音楽の歴史をしっかりと理解しておく必要があると。
邦楽が世界の音楽の中で、簡単に使い捨てられないように。
日本の音楽のルーツを辿る旅で巡り会ったであろう「あんたがたどこさ」を、このように解釈し再定義することができるのなら、日本の音楽が世界のメインストリームになる日がくると思わずにはいられない。
COMMENT