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20230715
夜にダンス - フレンズ
都会、クラブ、大人の恋愛、ナイトライフ、深夜のドライブ...これらのキーワードを聞いて連想する音楽ジャンルと言えば...
誰もが「シティポップ」を思い浮かべるんではないだろうか。
田舎で生まれ育ち、地元を離れることなく学生生活を送り、その延長線上で社会人となった人生には、まるでドラマや映画の中の遠い世界と同じようなもので、共感することができなかった。
いわゆるシティポップ的な音楽は昔から苦手だった。
さらに言えば音楽に限らず、そういう類のテレビ番組や映画、漫画なんかもどうも受け入れられなかった。ドラマに関して言えば、今まで通しで見た経験は一度もない。
ここ最近、「ネオシティポップ」と呼ばれるシーンがアツいらしい。
フレンズの『夜にダンス』はまさにそれを代表するような楽曲である。
おしゃれなサウンドとメロディの上に、男女ツインボーカルが入れ替わり、都会的なカルチャーと恋愛観が展開される。
冒頭で触れたように、苦手というべきか自分にとって接点があまりない曲でもある。
では、一体何に惹きつけられたのか?
それは、シティポップが日本独自の発展を続け、洗練されていく過程なのかもしれない。
フォークや歌謡曲が全盛だった頃に、感度の高いアーティスト達が、海外の音楽に影響を受け、独自のセンスから生み出していった曲が、日本国内でたくさんのフォロワーを生み、そこからまた独自の発展を続け、今度は海外から注目されるようになる。
たしかに、今話題のネオシティポップと呼ばれるような曲は、どれも質が高く素晴らしい。もちろん、『夜にダンス』も。
おしゃれな歌詞には全く共感できないのに、こうして何度も耳にしたくなるのは、フレンズのそのポップセンスと合わせて、シティポップの発展という文化的背景を感じさせられるからなのかもしれない。
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