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20200826
Life Stash - 舐達麻
カルロス・テベスというアルゼンチンのサッカープレヤーをご存知だろうか。南米のサッカー選手によく聞かれるスラム街の出身で、サッカーのプレーひとつで成り上がりヨーロッパの強豪へと移籍し成功を収めた偉大なプレーヤーである。
幼い頃に不慮の事故で負った火傷の痕を「生きてきた証」として治療することなく背負い続けプレーする姿に、世界中のファンが魅了された。人々はそのストーリーとリアルな生き様に夢を見る。舐達麻の楽曲には、彼らのリアルなストーリーが重なって見える。
HIP HOPがニューヨークで生まれ、日本に伝わり浸透し、たくさんのアーティストによって様々な形で進化してきた。「Life Stash」はHIP HOPの進化であり、深化、いや神化と言ってもいいのかもしれない。メロウでドープなサウンド、ビートルズのTomorrow Never Knowsをも想起させる逆再生のイントロも見逃せない。
Stashは隠す、蓄えるの意。
隠し事というよりも、自分たちが蓄積したリアルそのものなのか。whrm「100MILLIONS」の記事にあるように、この楽曲にも大麻への言及が盛り込まれている。「たかだか大麻 ガタガタぬかすな」はあまりにも有名なパンチラインである。文で踏まず、単語を並べて踏まれる韻がビートと相まって"やばさ"を増幅させる。
オートマ 大麻 成長 開花 ロードラン ナイター 年少 裁判 HIP HOP ガイダンス 不敵 大胆 ファイヤー 判断 階段は13...
技術の進歩によって、ますます境界が曖昧になり混乱する現代...舐達麻が体現するリーガルとイリーガルの狭間のような生き様は、不安に押しつぶされそうで、行き詰まった閉塞感を見事に打ち破ってくれる。
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