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20210219
ありふれた言葉 - きのこ帝国
小学校から中学校にかけて、僕には何度も転校経験がある。そのときの経験は人格形成に少なからず影響を与えているように思える。
子供の頃は、親の転勤に抗うことは不可能でただただそれを受け入れるしかなかった。なので、どうしようもないぐらい辛い出来事というわけでもなかった。
言わずとしれたZONEの名曲「secret base」はそんな僕みたいな転校生に染みる曲だが、きのこ帝国の歌う「ありふれた言葉」には同じような感情を抱いてしまう。
ZONEの歌声や歌詞に比べると、佐藤千亜妃の透き通るような声、そして曲調は随分と大人びていて、小学生の頃の自分にはとてもマッチするとは思えない。でも、どこか田舎の風景を思わせる自然の描写が、あの時の記憶に重なってしまう。
子供同士、くさいセリフで別れなんて絶対になかった。この歌の歌詞にも、誰か別の相手の言葉は登場しない。まるで独り言のように自分に言い聞かせているようだ。
そして、あれ以来迷いばかりの人生。1234右へ、2223左へ、3234いつだって迷いばかり。
いろんな別れの度に新たな自分へ、と決心しながらもフラフラ揺れながら、それでもゆっくり前進していく。まるで少年の頃からずっと見守って肯定し続けていてくれるような気分にさせてくれる。
文字通り「ありふれた言葉」ばかりの歌詞で。
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