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20191112

大キライ - 佐藤千亜妃

11月13日は、小沢健二と佐藤千亜妃のアルバムの発売日ってことで、
どっちかについて書こうと思って悩んでましたが、小沢健二のほうは、Mステでタモリさんと風間俊介くんがだいぶ語ってたんでそっちに任せて、僕は佐藤千亜妃のほうをセレクトします。

さて、「良い詩」といってもさまざまな種類がありますが、
その1つの種類として、"好き"ってことを「好き」って言葉を使わずに表現するってのがあります。
有名な例としては、夏目漱石は「月が綺麗ですね」って表現しました。
そして、佐藤千亜妃は「私を好きじゃないあんたなんて1秒で捨てあげる」って表現しました。サビではただただ「大キライ」と叫んで表現しました。

真逆の言葉を使って真逆のことを表現する。
そしてAメロやBメロで展開される具体的なエピソードが、人物像の想像を掻き立てていて、聴き手を共感へと誘う。
1番で「多分こういう意味だよな、本当は好きってことだよ...な?」という聴き手の推測が、2番・3番へと進むにつれて確信に近づいていくような、そんな歌詞の構成も秀逸。
そして、難しい表現を使ってないから、誰にでも伝わるような大衆性を保った歌詞。
非の打ち所がないというか、数あるJPOPや歌謡曲の名曲の中でも屈指の歌詞のクオリティかと。

砂原良徳とタッグを組んだソロとしての1stアルバムは、きのこ帝国ではできない音楽をやった感があったけど、この曲は、きのこ帝国初期の佐藤千亜妃の危うさと、きのこ帝国後期のポップさが両立している。
バンドが解散し、ソロとして活動に本腰を入れるということを宣言するように、
「佐藤千亜妃はこういうアーティストです」というのをうまくパッケージングしている感。
そしてこの曲が主題歌として使われている映画「CAST」には佐藤千亜妃自身も出演している。(佐藤千亜妃はもともと女優でもあるから、そういう意味でも1つの集大成感を感じる)

最近では、亀梨和也に楽曲を提供した佐藤千亜妃。
個人的にはもっと多くのアイドル向けに作詞をしてほしいって思う。松本隆のように...。松本隆の後継者の一番手はまさに彼女だと思うのだ。

Text by inosan

COMMENT

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コメント

なるほど〜
そんな表現があるんやなぁ。
学ばせてもらいました。
反対の言葉で思いを伝えるって使われた経験はあったが使ったことはなかった。
面白い表現ですね。
男性版では漱石さん意外でどんなんがあるやろう?って気になった。
自分もその表現してみたいともいました。

ナラ

佐藤千亜紀のどこか打ち捨てたようでいて希望を捨てきれていない声が、よくなじむ曲だと思った。甘えたい気持ちと切り捨てたい気持ちの絶妙なバランス感、それでいて転びそうな心もとなさを感じ続けるのだけれど、聴き終わって妙にほっとしてしまうのは何故なのでしょうか。。

カトウ

タイトルの時点で逆説を言おうとしていることが分かるほどのストレートな感情が込められている。
聴き手はそれをわかった上で、その解を紐解くように聴き進めていく。
予定調和とも言えるようなその作業が、この曲への共感を深めていく。
歌い手や、ちょっとした歌詞の違いではチープになりがちなところを、抜群の完成度に高められてしまうところにセンスに感じずにはいられない。

マスター
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inosan

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