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20220206
死闘の果てに(サガ2 秘宝伝説) - 伊藤賢治
誰しも忘れられないゲームのひとつやふたつがあると思う。自分にとっての生涯一のゲームは、1990年にゲームボーイソフトとして発売された『サガ2 秘宝伝説』である。
今なお続く人気のサガシリーズは、ゲームボーイの『魔界塔士サガ』というゲームから始まった。サガ2はその2作目にあたり、当時のカセットのメモリ容量ギリギリまで詰め込まれた、壮大なスケールを誇る傑作だ。
その音楽性は根強い人気を誇り、中でもボス戦に流れる「死闘の果てに」は、名曲として名高い。
ビーナス、アポロン、オーディーンなどの西洋の神々、阿修羅、将軍といった日本の神々や強敵、そして「最終防衛システム」と呼ばれるラスボス...あの強敵達とのバトルで味わう緊張感、高揚感が昨日のことのように脳裏に甦る。
サガ2というゲームには、レベルという概念はなく、バトルに使用する武器には回数制限があった。つまり、使い切ってしまうと消滅してしまう。このシステムが秀逸だった。
いかに強力な武器を残しておくか作戦を立て、長い道のりを経てようやくたどり着いた先で強力なボスと対峙する。そこで流れる「死闘の果てに」は、親に隠れ、電池切れでかすれていく画面に怯え、綿密な計画の元、必死に絶え抜いた後に待っている戦いを見事に彩った。
ひとたび電源を入れれば、入れ替わり立ち替わり流れるたったの19曲。そのクライマックスに位置する「死闘の果てに」を数秒聞けば、今でもあの冒険の続きにタイムスリップすることができてしまう。
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