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20250225
Tik Tak Tok (feat. So!YoON!) - Silica Gel
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音楽の価値とは何か?
この場でいろんな曲について深掘りしてくうちに打ち当たった自己課題。特に、コロナ禍で多くのアーティストの音楽活動が制限されたとき、その意味をより強く意識するようになった気がする。
突き詰めれば、音楽は生存に直接関係がなく、飲み食いできるものではない。仮に明日から一切聴かなくなったとしても、しばらくは生きていける。
しかし、例えばロックの起源のひとつとも言われるフィールド・ハラーは、アメリカ大陸へ強制連行された人々が、過酷な労働環境のなかで仲間と歌い、怒りや欲求不満を和らげたとも言われている。
その価値は僕たちには計り知れないものがある。
では、自分にとっての音楽の価値とは何だろうか?
韓国のロックバンド Silica Gelは、実験的な音楽を奏でる、そろぞれが才能ある4人が揃ったロックバンドだ。
韓国と聞くと真っ先にK-POPを思い浮かべるが、彼らの音には、まったく別の磁場が流れている。言葉はわからない。文化的な背景もほとんど知らない。だからこそ、先入観もバイアスもないまま、ただ"音だけ"を全身で受け止めることができた。
ゆっくりと立ち上がるような静かな序章から、どこか神話的ともいえるリフが現れ、淡々と進んでいたリズムが、気づけば情熱を帯びたギターへと姿を変える。
そして後半、音が空間を裂くように炸裂し、一切の言葉を拒むようなギターソロが、空気を塗り替えていく。
それはどこか、Led Zeppelinの『Stairway to Heaven』にも似た構成だと感じた。
クラシックの世界には、特定のストーリーや情景を描写しない、純粋に音の構造や美しさを楽しむ「絶対音楽」という言葉があるそうだ。特定の意味を背負わず、ただ音そのものを味わうという考え方。
このギターソロを聴いたとき、自分はまさにその"絶対"の渦にいた。時間も言語も関係なく、ただ音だけが"移動体"となって、脳の中を旅していた。
過去の記憶がふと浮かび、未来の不安が横切り、いまこの瞬間の感情にぴたりと合流する。情景もストーリーも与えられていないはずなのに、次々と心のスクリーンに像が映し出されていく。
きっと音楽は、"何かを伝える"ためだけのものではない。むしろ、何も語らずに"心の動き"を思い出させてくれるものなのかもしれない。それは、自分自身と再会するための、静かな時間。
素晴らしい音楽に触れるという体験は、内面を掘り下げ自己を省みる時間を与えてくれる。それも音楽のもつ重要な価値の一つのなのかもしれない。









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