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阿蘇は灼熱

2008/12/09 [21:20]

K-1グランプリを皆で観戦して、相手の反則負けで優勝したレミー・ボンヤスキーは、逆に卑怯くさい「逃げ勝ち」だったんじゃないかということで、皆の印象は一致しました。


「優勝は優勝でもこいつは男じゃないっすよ!」
例えばザビ氏のこんな熱い言葉を聞いてしまったゆえに、
少々の悪い気象状況でも、明日、やろう!大観峰タイムトライアル。オレは逃げない!
と夜のうちに心に決めました。


そして迎えた翌朝、
−8度の冷え込みで、窓枠に垂れた結露もつらら状にガチガチに凍った恐ろしい翌朝でしたが、
日中はカラッと晴れ、寒いは寒いけど、自転車日和と言えなくもない気候になってくれました。


昼12時すぎ、リポビタンDをキュッと飲み干して、
ライダーハウス玄関をかっ飛んでスタートします。
ザビ氏が、まさしくマラソンの先導車の要領でバイクで前を走ってくれ、
後ろを固めてくれるのは、心強い、歴代1位の記録保持者サイヤ人氏。もちろん彼は自転車です。
そしてゴールの展望台で、先に車で行き、待ち受けてくれているのはモンモン氏であります。
(お三かた協力ありがとう!)


開始3分で平地は終わり、いよいよ延々つづく上りに入ります。
ていうか既に息があがっているのだが、大丈夫なんだろうか…。
分かるのはゴールまで10キロだという事実だけで、道(勾配とか)が全く分からないので、
どこでどう足を使っていいのか?このペースで最後まで行けるのか?走りながら不安でいっぱいです。


そんな気持ちとも戦いつつ、厳寒の阿蘇外輪山をくねくね上る上る。とにかく上る。ペダルをぐるぐる回す回すとにかく回す。
肺がつぶれそうに苦しいのだが、
何でこんなアホなこと一生懸命やってんだ…
と、日本縦断旅そのもののおかしさにも通ずることが頭に浮かんで、
ちょくちょく、笑ったりしました。


心臓が、たぶん人生初の、燃えるような動悸をして、
カーブの度に広がる雄大な景色に力をもらって、
恥ずかしいくらい真っ白な湯気と息を大量に撒きながら、
そして大観峰にたどり着きました。
展望台駐車場の公衆電話からモンモン氏に電話を掛けた瞬間がゴールです。
苦しすぎて立ってるのもしんどいほどで、
普通に番号を押し間違えてマチガイ電話するというまさかのタイムロスを犯しつつ、
ゴールしました。



記録、34分34秒!


一緒に上ってきたのに、ヘッロヘロの僕の隣で涼しい顔をしているサイヤ人氏のワールドレコード27分には遠く及ばなかったものの、
歴代6位くらい?に食い込む、予想以上の好タイムでした!
嬉しい!シンプルに嬉しい!


空気は冷たく澄んで、最強の快晴で、
地元の人いわく年に一度かというような素晴らしい眺望の大観峰で、
モンモン氏が携帯コンロでいれてくれていたコーヒーの苦味満点の味。(濾し器を忘れたので思い切り煮詰めて作ったそう)
…美味しすぎて美味しいのか何なのかよく分からない。
この旅で、絶対忘れられない味がまたひとつ、できました。


comment (2)


阿蘇は氷点下

2008/12/07 [23:05]

笑うしかない気温−8度。


冬将軍に打ち勝つ。いざ寒波を乗り越えんという熱い気持ちでやってきたのは
阿蘇でした。
今の装備で、氷点下でもしキャンプしたら、寒いとか辛いとかのレベルを越え、デンジャラスなので、
泊まりは、ユースホステルと、そして北海道以来、本当に久しぶりのライダーハウスを利用します。


阿蘇内牧にある阿蘇ライダーハウスは一泊900円。
この寒い時期に行ってみても客は自分だけかなあ…と思いつつ訪ねてみると、
6人の賑わいでした。
しかし驚いたのは最初だけで、すぐに諒解しました。
オーナーさんの熱意というか、心意気が素晴らしいんです。
人があつまる場所。
良いライダーハウスの代名詞を思い出して暖かい気持ちになりました。
そして実際にも、こたつがストーブが、夕食に皆で囲む鍋が、ああ、あったかい。。。


カブ乗りが日本中から集合する「カブ主総会」をはじめ、
多種多様なイベント事も催されているようなのですが、
「大観峰タイムトライアル」に心を動かされました。
自転車で、ライダーハウスを出発して、
10キロ先の阿蘇外輪山の最高峰にして、絶景の有名な展望台「大観峰」のゴールに向けてひたすら標高差450Mを上る、「競技」です。
タイムトライアルなので、一人で、好きなときにやって記録を残せばよい。
(やってみるか…)という気になり、話を聞いてみると、
何と歴代チャンピオンがその座にいました!
サイヤ人氏そのひとの記録は27分あまり。
旅してきた僕の感覚では、標高差450Mはほとんど一日がかりですからね、それを27分で上りますか…!


しかし1万5千キロ走ってきた僕の脚力と心肺機能だって、そんなにヘボヘボじゃあないはずだ、ってことで、
やりたい気持ちでいたのですが…、


寒波の威力が僕の予想をはるかに越えました。
夜、外に出て濡れたタオルをぐるぐる回すと、すぐに干し昆布みたいになりました。
当然のように雪が降り、チェーン規制も出始め、
阿蘇は陸の孤島になる危機に瀕していたのでした。


どうなる!?阿蘇。
…つづく


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晩白柚、太平燕、いきなり団子…

2008/12/06 [19:07]

八代で、名産の「晩白柚(ばんぺいゆ)」を食し、これを皮きりに、火の国熊本、味巡りツアーが始まりました。


晩白柚はメロン大の巨大な柑橘類で、今が旬。
味は、苦くないピンクグレープフルーツのようでした。
衝撃的な見た目と、それに裏腹なおとなしい味。
味のツンデレと呼びたいと思います。


熊本市にやってきて食べたのは「太平燕(たいぴーえん)」でした。
熊本の中華料理店には必ずあるが、よそではまず無いという、
隠れ熊本名物で、簡単にいえば、「麺が春雨の長崎ちゃんぽん」
市内の中華料理店「興龍」で食べた太平燕900円、
懐は痛かったけど、とても美味しかったです。
普通の中華麺と違って春雨には事実上味がないので、
鶏ガラ主体?のスープに、その分、かなり深いコクと旨味が持たせてありました。
もしこのスープに中華麺だったら、だいぶクドいはずですね。(一口目だけうまいラーメンみたいな)
そして特筆すべきが、豊富な具材の存在で、
すべて拍子切りに揃えられた筍にキクラゲさらには豚肉、椎茸、人参、白菜がたくさん載っています。
エビやイカなんかとあわせて、さっと炒められたこの具材が実にいい仕事をしてるんです。
味の食物繊維遊園地と呼びたいですね。
熊本を訪ねれば、太平燕、たいぴーえんを忘れずに!


いきなりですが、「いきなり団子」も食べました。
ふかし芋とあんこを、ふっくらもちもちの皮で包んだ、
団子でありつつ饅頭のようなきんつばのようなお菓子です。
皮がおいしいーー
実は、これに関しては旅に出る以前からその存在は知っていまして、
熊本では絶対食べようと心に決めていたんです。
素朴で大好きな味でした。
さつま芋とあんこと皮。
和菓子の千両役者そろい踏みの、味の最強トリオですね。


最後に登場するは、もちろん「馬刺し」。
う、うまい。
スーパー「みやはら」で普通に売っていたやつで、
マグロより安いくらいのお手頃価格でした。
東京や大阪に出荷されては、何倍にもはね上がっていくようですよ。
脂が少なく、さっぱりとしつつも、ちょっとベーコンに似た芳醇な味わいの柔らかい生肉。
球磨焼酎「白岳」の湯割りをちびちびやりながら一緒に食べました。
味の…


…。もういいや、おいしいものはおいしいです。
馬。草原のかわいい馬よ、ありがとう。済まない。うまかったよ。




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