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運玉5球

2008/11/25 [20:27]

江夏の21球、しゃぶの5球…


崖にしがみついて建つ鵜戸神宮。
参拝したあとは、これで運を試します。
本殿下の磯にある、亀石の背中のくぼみめがけて、
素焼きにした泥の玉を投げます。
見事入れば願いが叶うというのだが、
ひとりに与えられる玉はわずか5球…。
しかも男性は左手で、というルールがあり、
正直、根拠はないがけっこう自信を抱いて行ったわけですが、
んー…思ったより、亀、遠いぞ!
バカラを観察する沢木青年の如く、
しばらく観察してみたけど、みんな、入ってないぞ!


しかし僕には、絶対に負けられない(!)理由がありました。
静岡は藤枝でお世話になった「藤枝の兄貴Sさん」の心願が僕の玉には込められているからです!
(2007・9・9記事、みんなでつくるPROOF OF…参照)


「1球で決めてやる」
1球目で外したら5球とも外す気が何故かして、
鬼の集中力で投じた初球は…


くぼみわずか数センチ横の甲羅に当たって
砕けて、破片の一部だけくぼみに転がって入りました。
惜しい!


集中が切れてないので間髪入れず投じた2球目は…


またしても、あと数センチ!
でも感触は悪くないぞ!
さらに間髪入れず投じた3球目…


数十センチ!
ちょっとずつ離れていってるな…
これはまずい、ということでここで一息つきます。


負けられないんだ!
気合いを一周回ったリラックスに変えてやる!
そして投じた4球目でした!!
左腕が今までにない「しなり」を見せる!
シャッ…



すっぽ抜けた!
あー、亀にすら当たらずに海に消えていきました。


あ、あ…後がない5球目…!
破片が入った1球目を「入った」ってことにしようかな…(解釈改憲)
いや、だめだ!弱気になるな!軟弱ゥ軟弱ゥ!


シャッ…


真ん真ん中に、ストラーイク!!!
WOOOO
RHYYYYYYYYY!!


comment (2)


使者として

2008/11/23 [21:30]

沢木耕太郎「深夜特急」に触発されて始まっている僕の旅。


その中に「使者として」と題されたある一章があって、
トルコ或いはイタリアで、センチメンタルに展開していく物語に、毎度酔わされます。
自分はまったく知らない相手に、よく知った人物からの手紙を一通届ける。
無意味な移動のなかに意味をさがすのが旅だとすれば、
郵便で電話でメールで、一撃で決着するはずの一通の手紙を遠路はるばる持っていくなんて、
旅にふさわしい愚かさ加減だと思いませんか?


ということで、
僕は、盟友OMちゃんの手紙を、
数人の彼女の九州の恩人のもとへ届けようと、只今預かり持って走っているわけです。



9月、宮崎市郊外、
そこから10キロほど先の道の駅「フェニックス」まで行って夜を明かそうとしていたOMちゃんだったが、
辺りは暗くなり、さらに道に迷ってしまった。
田舎の夜は、都市生活者の度胆を抜くほど、本当に暗い。
焦るOMちゃんを助けたのが、Iさんだった。
(道の駅ゆうても、外じゃし、女の子ひとりであげなとこに…しかも峠の向こうじゃし…)と思ったIさんは
彼女を自宅に招き、急きょ宿を提供してやることにした。
さらには何とその後、
博多ではIさん娘さん宅、北九州ではIさん姪御さん宅にも、
Iさんからの連絡でOMちゃんはお世話になり、
彼女にとって、Iさん夫婦は恩人として忘れられない人になっていたのでした。



Iさんは自宅で板金工場を経営しておられるということで、
その場所を探すのは僕にとって容易でした。
住所てきに近いところに行って人に聞けばすぐ分かるだろう、という気持ちで走っていると、
通行人を見つける前にI板金工場の看板を見つけてしまいました。
Iさんは、「町工場の人の好いおやっさん」といった感じの、優しさ満開の方で、
「何ならあなたも泊まっていけばええです」と、嬉しいことを何度も言ってくれ、
僕は感激しました。


僕はまたまだ先に進むつもりだったので、
手紙と写真を確かにお渡しし、Iさん宅を辞してまた走ります。
道の駅「フェニックス」を「ふーむ、ここかあ!」の気分で通りすぎ、
日南海岸を明るい気持ちで疾走しました。(写真)
いい人といい出会いをした後はペダルが軽い。人間は不思議です。


感激にはしかしまだ続きがありました。
後日、OMちゃんに聞いたところ、
ちょうど外出中で会えなかったIさんの奥さんが、
「今日は寒い日だからコーヒーの一杯でも」と、
「フェニックス」まで僕を追いかけてきてくれてたんだそうです。
会ったこともない僕に対して示してくれる、この人のこの優しさに、僕はどう応えたらいいのでしょう…!



日向路

2008/11/22 [22:31]

豊後の国大分県から、日向の国宮崎県に入ります。


大分から、まず北へ、福岡・佐賀方面に行くか、
いや西へ、阿蘇から熊本へ行くか、
ずっと迷っていたんですが、
あまりの寒さに体が太陽を求めて、宮崎に来てしまいました。
日向(ひゅうが)はもとは「ひむか」と読んだそうです。
日向路。=太陽にむかう道、ということで、今の僕の思いとぴったり重なることに気付き、
走りながらひとり悦に入っていました。


走ります。
じっとしてると寒すぎて凍えるんで、
腹に力を入れて走って、とりあえず鹿児島佐多岬(本土最南端)をめざします。


写真は日向岬。
足がすくむほど深い「切れ込み」…
足がすくむほど危うい突端への遊歩道…
なかなかワイルドな岬でした。




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