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四から九へ

2008/10/29 [18:45]

約1時間の船旅で、フェリーは大分県の佐賀関に向かいます。


人生初の九州上陸だ!(下関から目撃はしたけど)
否応なく気持ちは昂ぶります。
豊後水道は潮流の激しい荒い海だということですが、
感じる分には今日は穏やかで、青い色だけが際立っています。


佐田岬の三崎港にて、道連れのOMちゃんとようやく別れました。
今治〜佐田岬、愛媛自転車ふたり旅、心底たのしかったです。
OMちゃんはこのまま四国を一周し、神奈川のゴールへ向けて太平洋沿岸を走ります。
無事に旅を終えられることを祈ります。
気を付けて。
そして道中にお住まいの皆さん、
フル装備のGIANT社のグレートジャーニーにまたがったメガネの女の子を見かけたら、その娘です。
何か食べ物を(笑)。
清々しいほど気持ちよく受け取るはずですので。


カモメを見ながら僕は夢想しました。
僕の旅が、ミラクルで本になり、さらには映画になったとき、彼女の役は誰が務めるだろう、と。
デッキでひとり考えを巡らせていたら、若い船員が
チャリ旅ッスか、いいッスねー。いや僕もね…
と急に気さくに話し掛けてきました。
たぶん僕は、
普段の、苦みばしったニヒルな横顔(!)でなく、
親しみやすい、ユルユルふにゃふにゃなニヤけ顔をしてたんだと思います。


「それガッキーしか居ないッスよ!ガッキーでいきましょう」
プロデューサーが乗り気になってきたのでした。



岬にあるもの

2008/10/27 [21:17]

愛媛県伊方町(佐田岬半島)。豊後水道に突き出した、鋭い矢のようなその形を、マップの方でぜひ確認してみてください。


こんな個性的な場所は、是が非でも行かねばなるまい。
というわけで、
いかにも険しそうな行程にやや難色を示すOMちゃんを引っ張って、
半島付け根の八幡浜から、実に2日がかりで、佐田岬の先端まで走りました。
峻険なリアス式海岸、やはり、UPDOWNがきついです。
半島を貫く国道(R197)は、メロディラインという愛称が付けられていましたが、
高低に激しいロックなメロディでした。
…たまには優しい演歌も聴かせて!


♪酒は熱燗 佐田みさきー
鳥羽一郎の名曲「佐田岬」を思い出したり忘れたりしながら、
西へ西へとひた走る。
秋。愛媛は今みかんの季節です。
まわりには、森か海か、そうでなければみかんの段々畑が広がり、
よく見ると青や黄色の実がわんさか生っています。
(おじさんにもらったみかんは本当に太陽の味がしました。おじさんありがとう。)


そして尾根には、先へ行けば行くほど、
風力発電の風車がズラリ立ち並んでいて、壮観。
真下に行ってみると、これがまた面白い!
ぐリン・ぐリンとブレードがスウィンぐして、
その巨大な影が、下に居る僕らに襲いかかるようにこれまたぐリンぐリン来ます。
「(ブレードに)しがみついてみたい」
OMちゃんは、よく分かるような全く分からんようなことを言って、感動を表現していました。


そしてたどり着いた佐田岬灯台で、
僕らをその美しさで虜にしたのは、


海に沈む夕日でした。


き、きれいすぎる…
濃いみかん色に光り輝いてゆれる海面に、
漁船が一隻、ゆったりと波をひいていく。
太陽はみるみる高度を落としてゆくのに灯台の時間は半ば停止して、
虜になった旅人は、
たまに思い出したようにシャッターを切るほかに何も出来ませんでした。


やがて夕日は沈み、茜色の西の空に、
交代で金星が一個、見事に打ち上がった。
しかしそれは、
その後につづく、満天の星による長い夜の宴の始まりに過ぎないのでした。
「きてよかった…」
彼女が小さく洩らしました。


comment (1)


大洲郷土館 YH

2008/10/24 [15:48]

本当に久しぶりのユース泊。大洲郷土館ユースホステルはとても気持ちがいいところでした。


建物は古いけど、掃除が行き届いていてきれいで、快適です。
洗面所に綿棒が、電子レンジ横にはキッチンペーパーが、さりげなく用意されていたり、
談話室のテーブルにはポットのお湯とインスタントコーヒー、さらにミカンも積まれていて、とても気が利いています。
そして客室のカーテンを開けると目の前に大洲城、
談話室からはゆるく蛇行した肱川の流れ。
伊予の小京都、大洲のたおやかな空気が、
ここに居ながらにして十分に感じられます。


お客の満足度は、談話室のアルバムに収められた、玄関で撮った全宿泊客のスナップ写真の表情にも出ていました。
お遍路さんも多い。サイクリストも、外人さんも多い。
皆の旅はこの城の横のオアシスで交差しているのですね。


門を曲がって見えなくなるまで、
ペアレントさん親子がおもてで見送ってくれました。


さあ、今日も漕ぎますか!
ペダルに力がこもります。



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