奈良駅の手前で、平城宮跡は、近鉄電車の車窓からいつもほんのひととき現れます。
ほう、ここが平城京か。
と感慨に浸ろうとすると、さっさと電車は街並に飛び込んでいってしまう…。
東大寺や興福寺や春日大社と違って、
平城宮は今は「ただの広場」なので、奈良観光では外されがちで、
小学校の遠足から始まって、幾度となく奈良に来ていても、
平城宮跡には僕は行ったことが無かったのでした。
というわけで、
いつも車窓の外を口惜しく流れて去る宮を、今回はゆっくり感じてきました。
ちょうど昼時だったので、弁当を買っていきます。
広場の真ん中北の一段高くなった場所は、
平城京の中心であり、天皇がまさしく政を行った「太極殿」の跡。
ここは地元の人の、ちょっとした憩いと安らぎの場所になっていて、
広大な平城宮跡を渡る風に体を委ねて
気持ち良さそうに昼寝する人の姿がちらほらありました。
ある人が目を覚まして去ると、次にやってきた人がまた横になり、
こっちでゴロリあっちでゴロリ。
気持ち良すぎる太極殿に、僕は自転車を担いで上がり、
「かまどや」の唐揚げ弁当を食べ、そして、
昼寝をしました。