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旅は続く

2008/08/05 [22:35]

写真に多くを語ってもらうことにして、この数日の歩みを一気に振り返ろう。



出雲大社には、サイクリストM君と一緒に向かったのだが、彼の脚力に付いていけず、はぐれてしまった。
でも縁あらばまた会えるはず。出雲の神さまがきっと取り計らってくれるさ。



「天然の冷蔵庫」八雲風穴。
山の中、岩の隙間から冷風が吹く。付近一帯がその風で既に涼しい。自然のやることは、バラエティに富み、そして気が利いているから好きだ。



日本百名瀑の一つ、八重の滝。
「滝」は夏の季語って知ってましたか?
炎天に涼を求めて滝の裏
サイクリストえこにんさんにお会いしました。



広島県三次市君田。夏の盛りのひまわり畑。
ひまわりの黄色が似合う君であれ



広島県北広島市吉田。戦国時代毛利氏の本拠地。三矢の訓。結束した連中が生き残ってきた、人間の歴史なり。


省筆もたまにはいいか旅ブログ







『隠岐の風』 その13

2008/08/03 [11:00]

隠岐の水を飲み、隠岐の魚を食べ、隠岐の人の優しさに触れ、そして隠岐の風を吸っているうちに、僕の体はにわかに隠岐のいろに染まっていきました。


流刑の島、というイメージしかなかった隠岐。
日本海に浮かぶ1つの島だと思っていた隠岐。
白状すると壱岐とごっちゃになっていた隠岐。
西郷港に到着したその日、
物価の高さと、人々の、僕を見る驚きと警戒の少し冷たい目に、
4、5日でぴゃーっと休まず走ってさっさと本土に戻ろう。
という気でいました。
ところが実際はこのとおりに、
いつまで続くんだ隠岐の風編!という声も聞こえてきそうな長居をすることになりました。
本当に幸せな時間だった…!


ところで、隠岐では、
アメリカ産のネーブルオレンジが一個150円、
高知産のニラが一束200円します。
世界一物価の高い町は東京で、二位は大阪である。
という言説は誤りだと知りました。
島で生産されて本土で売られる商品には、その逆の力が働きます。
輸送にかかるコストは、島民の生活を圧迫し、産業の成長を妨げます。(その威力は凄いです。)
離島の苦しさは、そのまま島国として日本がはらむ経済的危うさを示してもいます。
本土の過疎地では、僕が働いていた福井のあの大工場のように、どこでも、
企業をどんどん誘致して、外人もどんどん受け入れて、新しい町の発展の型を模索しています。
しかし離島では、その策は難しい。
島の人は、穏やかで明るいですが、
もう何十年も前から島の将来に不安を感じておられます。


しかし光明もあります。
海士町では、海産物の最新の冷凍加工技術を持つ工場が最近建ち、(町長自らが社長!)
新しい雇用も創出し、町の人口が昨年、転出を転入が上回るという「革命」を起こしたそうで、
いや本当に頑張ってほしい。
と心から思いました。


離島の現実はまことに厳しい。
自然がステキ人がステキだけでは不十分な気がしたので、
偉そうなことを書いてしまいました。。。


さて、忘れてはいけない、僕は沖縄を目指しています。
幸せに隠岐のいろに染まったこの体ですが、
そろそろ駒を進めなくてはなりません。


知夫里島の来居港から、本土の境港まで直通のフェリーには乗らず、
あえて、倍ぐらい時間がかかる、別府、菱浦、西郷を回ってから本土に向かうフェリー「くにが」に乗りました。
島前の青い内海を軽やかにはしる「くにが」のデッキから、
思い出深いあの岬この岬、あの港この港が両手に次々と見え、
やがて外海へ抜け、沖にある大きな島、島後に舳先が向く…
心のなかで、懐かしいあのメロディが聞こえてきました。
隠岐在住のシンガーソングライター広江政仁さんの名曲、
島後では夕方5時になると島内どこにいてもチャイム代わりに流れてくる、
隠岐を代表する、いや隠岐の心そのものと言ってもいいかもしれない唄。
『隠岐の風』です。


 ♪夢をのせてふく風 想い出運んで
  懐かしい便りは ふる里のかおり
  かすんで見える 遠い想い出
  風に吹かれて届け 隠岐の島の風


 ♪言葉は何もいらない こころの隅に
  想い出つづれば ふる里のかおり
つまびくギターの かわいたメロディ
風に吹かれて届け 隠岐の島の風


 ♪かすんで見える 遠い想い出
風に吹かれて届け 隠岐の島の風
  風に吹かれて届け 隠岐の島の風
  風に 吹かれて届け 隠岐の島の風


島影が遠ざかり、霧にかすんで見えなくなる頃、
トビウオが一匹、
隠岐に向かって強く飛行していくのを見ました。


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隠岐の風 その12

2008/08/01 [22:08]

島前内航船「どうぜん」に乗って最後の島、知夫里(ちぶり)島に向かいました。


人口600人あまりの、
隠岐諸島の島の中でももっとも素朴なこの知夫里島の
知る人ぞ知る静かな名物が、
「牛の海泳ぎ」です。
海岸近くで放牧されている牛が、
離れ小島に生えた草を食べるために、狭い海峡を泳いで渡るらしい。


するとうまい具合に、
「今日14時40分にあるよ。」
とのこと。
待ちました。


どこからか観光バンが乗り付け、
みんなで見守る「牛の海泳ぎ」は、
しかし、現在のものは観光用のもので
感動的とは言いづらかったですが、
あごを上げてとろとろ泳ぐ牛は愛らしかったです。


さて、牛の渡るその離れ小島、渡津島の浜辺で、
3人組のおじさん釣り客と、ひとりのバイク旅のおじさんに、会いました。
そのバイクのおじさんは若い頃、自転車日本一周を経験していて、
定年退職後の現在は「全国の郵便局すべてを回る旅」という規格外のチャレンジをしている方でした。
なんとアホなことを一生懸命やっておられるのか!
これだけでとても共鳴しましたが、
さらに!この方は枚方の人でなおかつ最寄り駅も同じ!
離島の、先の先の先で出会ったのは、
近所のおじさんでした。


郵便局は全国に3万軒あるらしいですが、3分の2はもう行ったそうです。
瀬戸内海の無数の島々を一個一個巡る話はアホ過ぎて感動しました。
ああ素晴らしきかな枚方人!


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